ラフロイグ 10年 シェリーオークフィニッシュ/Laphroaig 10yo Sherry Oak Finish

(1)特徴

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ラフロイグ 10年 シェリーオークフィニッシュ/Laphroaig 10yo Sherry Oak Finish

ラフロイグ蒸溜所

・48%

・25%がリフィル・オロロソシェリー樽で10年熟成した原酒、75%がバーボン樽で9年熟成したものを1stフィル・オロロソシェリー樽で12か月追加熟成した原酒

 

ラフロイグ蒸溜所が2021年春にリリースした新商品。シェリー樽で10年熟成or1年追加熟成した原酒を使用した商品です。セレクトやトリプルウッドなど、これまでもラフロイグ蒸溜所ではシェリー熟成原酒を使った商品はリリースされていますが、年数表記のあるシェリー熟成原酒の商品は初となります(長期熟成品でシェリー樽熟成のものはありますが、商品名に”シェリー”とついている年数表記品は初と思います)。

樽構成としては「25%がリフィル・オロロソシェリー樽で10年熟成した原酒、75%がバーボン樽で9年熟成したものを1stフィル・オロロソシェリー樽で12か月追加熟成した原酒」をバッティングしたものです。またシェリー樽はともにスパニッシュオークのホグスヘッド樽で、スペインで2年以上シーズニングされたものとのことです。この情報は3月30日のオンラインイベント(※)にて、ジョン・キャンベル蒸溜所長が話していたので間違いないと思います(筆者の聞き間違いだったらすみません・・・)。

 

セミナーの様子をご覧になりたい方は、下記にて閲覧ください。本リリースに関する情報は49分あたりから始まります。
links.splash.events

 

本商品は、限定なのかコアレンジなのか明確ではないです。公式リリースには『Limited Edition』と書かれていたのですが、各所情報でコアレンジ品になるとの情報もあります。おそらく「ラフロイグ10年と違って常に準備できる訳ではないが定期的に補充される」くらいの意味じゃないかと思っています。アードベッグ25年とかは一応コアレンジ品ですが全く入手できないですし、コアレンジか限定品かが問題じゃなく、どれくらいの頻度でどれくらいの量が供給されるかの問題な気がします。

風味の特徴は、公式のコメントによると「フルボディで、マヌカハニー、ベーコンやメープルシロップが、ラフロイグ特有のスモークや海藻、塩気と共にやってくる」とのことです。

 

(2)テイスティング

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※右の写真は、シェリーオークフィニッシュ(写真左)と通常のラフロイグ10年(写真右)の比較


【香り】

レザー、ねっとりとクリーミーな甘さ、煮込んだフルーツ、シロップ漬けのサクランボ、ブドウジャム、カスタードやバニラもはっきり主張する。ピートに関しては、ラフロイグらしいヨード感はやや控えめで、ウッドスモークや灰っぽさが際立つ。それらが合わさって、焦がしたオレンジピールや焼きリンゴのようなニュアンスもある。

 

【味】

甘いフルーツポンチのシロップ、樹液、ぶどうや苺のジャム、黄桃、ウッドスモーク、灰、リコリス、ダークチョコレート、オレンジピール。余韻にかけてヨード感が少し出てくるが、メインになるのは灰や土っぽさと塩気、焦がしたオークや焦げたジャムのニュアンス。加水すると、スパイシーさが出てくる。

 

【総評】

ラフロイグ10年で強く感じられるヨード感はやや控えめで、灰や土っぽいベタッとしたピート感とビターさ。甘みもかなり強く、フルーツポンチのシロップや、ブドウや苺ジャムのようなねっとりした甘さ。とは言え、バーボン熟成もされているので、バーボン樽由来のバニラやカスタード感もあって、全体のバランスはくど過ぎず、(バーボン樽とシェリー樽のバッティングが好きなので)個人的にはとても好みの風味。

 

今回のシェリーフィニッシュと比較すると、ラフロイグ10年は柑橘の爽やかさやヨード感、バニラに加えて蜂蜜のような甘さが際立ちました。シェリーフィニッシュでも「微かな蜂蜜感」みたいなレビューがチラホラ見られたのですが、個人的には蜂蜜や花の蜜と言うより、砂糖シロップの印象です。

 

いずれせよ、大好きなラフロイグの久々のコアレンジ品で、とても満足のいく一本でした。