(1)特徴
・マノックモア 10年 モスバーン/Mannochmore 10yo Mossburn
・マノックモア蒸溜所/モスバーン社ボトリング
・56.1%
・バーボン樽熟成?
マノックモア蒸溜所は1971年設立、スペイサイドに位置する蒸溜所です。当初はグレンロッシー蒸溜所の第2蒸溜所として建設されました。原酒はグレンロッシー同様、ヘイグなどのブレンデッドウイスキー構成原酒として使われており、シングルモルトとしてのリリースは少ない銘柄です。兄弟蒸溜所だけあり、生産設備の特徴も似ていますが、マノックモアではポットスチルに精留器が付けられていない(グレンロッシーはある)などの違いがあります。
今回テイスティングしたのは、インディペンデントボトラーのモスバーン社の製品で、(味から察するにバーボン樽で)10年間熟成した原酒をボトリングしたものです。風味の一般的な特徴としては、スペイサイドらしい華やかさと、上品な砂糖系の甘さが挙げられます。
(2)テイスティング
【香り】
乾いた麦と木の香ばしさ、青りんご、シトラス、ミント、蜂蜜、カスタード、芝生。清涼感の強いフレッシュな香り。加水すると、フルーツポンチのオレンジ。
【味】
フレッシュでややビター。青りんご、オレンジ、蜂蜜、草っぽいハーブ、麦芽、藁っぽい微かなスモーク。余韻はカカオやコーヒーのようなじっとりしたビターさ。加水すると滑らかになり、フルーツポンチのようなねっとりした甘さが出てくる。余韻もコーヒーの程よいビターさに落ち着き、フレッシュな木と麦芽の香りが爽やかかなり良い。
【総評】
木と麦と蜜のシンプルな風味から、コーヒーの程よいビターさ。加水すると滑らかになり更に良い。カスクストレングスなので甘みの濃厚さも強く、加水していっても味が乱れないので楽しい。微かな藁っぽいスモーキーも相まって、奥行きがあって、存外に楽しめました。