秩父 IPAカスクフィニッシュ 2017/Chichibu IPA Cask Finish 2017

(1)特徴

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秩父 IPAカスクフィニッシュ 2017/Chichibu IPA Cask Finish 2017

・イチローズモルト秩父蒸溜所

・57.5%

 

イチローモルトの2017年リリースの商品。オフィシャルでの情報があまりなく、樽構成などは良く分かりませんでしたが、風味や他の限定品との比較から考えると、おそらくバーボン樽で6年ほど熟成させたのち、IPAビール樽で半年ほど追熟させたものと思われます。なおIPAビール樽は、志賀高原ビールと箕面ブリュワリーから供給されています。イチローモルトらしい透き通ったフルーティさとパンチの強さ、そこにIPA特有の青々しいホップの苦みが特徴的です。

 

(2)テイスティング

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【香り】

カスタードと生クリームの甘い香り、りんごの蜜や桃のフルーティさ、キャラメル、バラっぽいフローラルさ、微かにシナモン。奥から柑橘や刈り取った芝生、乾いたオークの香り。時間を置くと樽感が良く出てくる。

 

【味】

バチバチした刺激は強め。青々しい草や牧草、アロエ、ハーブなどを含んだ多様な草感がある。ライムなどの柑橘、青りんご、ホップのビターさ、 ニラ、ターメリック、黒胡椒。余韻は、若干の塩気とビターなハーブ、オーク。辛口で切れ味が良い。加水すると蜜の甘さが少し出てくる。

 

【総評】

追熟の割にかなりしっかりIPAカスクの影響が出ている風味。様々な草が入り混じったハーブ感と樽感が感じられ、甘みやフルーティさは控えめ(香りは結構甘いが、飲むと辛口)。IPAカスク熟成物としてはかなりの秀作。ジンのような要素もあるので、短熟には向いているカスクなのかもと思った。