(1)特徴
・クライヌリッシュ 14年/Clynelish 14yo
・クライヌリッシュ蒸溜所(ディアジオ社)
・46%
・バーボン樽、シェリー樽
クライヌリッシュは、ハイランド西部サザーランドの町、ブローラの外れにある蒸溜所です。サザーランド公爵が自身の農地で生産している大麦を使用することと、密造酒業者に対抗する目的で1819年に設立しました。その後1967年に新蒸溜所が設立され、現在までクライヌリッシュ蒸溜所として稼働し続けています。なお旧蒸留所はブローラ蒸溜所と名前を変えて1983年まで操業していました(その後閉鎖し、近年再開)。
原酒の大半はジョニーウォーカーのブレンデッドウイスキーに使われており、シングルモルトとしてのラインナップでは、ボトラーズを除くとこの14年くらいしかありません。しかし中毒性の高いクリーミーな風味からファンも多い銘柄です。
特徴として、ワクシ―な麦芽と蜂蜜、カスタードや熟したリンゴのようなフルーティさが挙げられます。優等生的な風味が多いハイランドモルトの中では、異彩を放つ存在感を放っています。
(2)テイスティング
【香り】
カルバドスのような熟したリンゴ、クリームパン、洋梨、柿、オレンジ、オイリーさと古本のような香り、微かなスモーキーさ。加水すると、バナナや南国フルーツのような熟れた匂い。
【味】
ワクシ―な麦芽の甘み、オーク、蜂蜜、練乳、オレンジやレモンの酸味、スパイシーや 塩気もかなり強い。加水すると、バニラ感も良く出る。余韻は塩気とオーク、軽く葉巻のような柔らかいスモーキーさ。
【総評】
独特のクリーミーさと完熟したフルーツ、麦芽の強い風味と微かなスモーキーさが漂う。明るいフルーティさと共に、ドシッと芯のある重い風味が背後にあり、ウイスキーとしての飲みごたえが満点。ハイボールやロックでも抜群に旨い。