ディプロマティコ アンバサダー/Diplomatico Ambassador

(1)特徴

f:id:Liquor:20210220060804j:plain

・ディプロマティコ アンバサダー/Diplomatico Ambassador

・ディプロマティコ(ベネズエラ

・47%

・12年以上熟成の原酒をペドロヒメネスシェリー樽で2年追熟

 

ディプロマティコは、1959 年創業、ベネズエラのウニダス蒸溜所で作られているラムです。一般的なスペイン系ラムでは糖蜜を発酵させ、連続式蒸留器コラムスチルで蒸溜後にソレラシステム(シェリーの熟成方法)で熟成します。一方でディプロマティコでは糖蜜の他にサトウキビジュースを煮詰めたシュガーケイン・ハニーを使用しています。また蒸溜器はコラムスチル 1 種ではなく、カナディアンウイスキーで使用されるバッチケトル、スコッチウイスキーで使用されるポットスチルの 3 種を使用しています。各蒸溜器から生まれるスピリッツそれぞれをオーク樽で熟成したライト・セミヘビー・ヘビーの 3 タイプのラムをブレンドすることで、味わいの変化に富んだラムを作り出しています。

 

今回テイスティングしたものは、ベネズエラ産ラムであるディプロマティコの上位に位置する商品で、連続式蒸溜器ではなく、ポットスチルで蒸溜されたヘビータイプのラムのみを使用し、最低12年熟成させた後に更にペドロヒメネスシェリー樽で2年間追熟を行ったものです。風味の特徴としては、下記の通りです。

コーヒーやチョコレート、蜜といった濃厚なアロマに、ドライフルーツ、チョコレート、リコリスを感じる非常に複雑で厚みのある味わいで、柔らかな甘みが長い余韻となって続きます。

ベネズエラは熱帯に位置しており、高度によって温度の差はかなりあるものの、ディプロマティコの熟成庫のエンジェルズシェアは、スコットランドでの約3倍と言われており、その中で計14年以上熟成されたとなると超長期熟成原酒とも言えます。

(2)テイスティング

f:id:Liquor:20210220060850j:plain

 

【香り】

甘くねっとりした香り、バターキャラメルやファッジ、ミルクチョコレート、ブラウンシュガー、微かにオークとスモーキーさ、奥にバニラやカスタードの乾いた香り。

 

【味】

黒糖、煮詰めたメープルシロップ、チョコレート、オーク、スモーク、キャラメル、デーツやブドウのドライフルーツ、余韻は青々しい草っぽいニュアンスや弱い酸味も混じる。

 

【総評】

とても濃厚で黒糖やチョコレートのようなねっとりした甘さが全開。オークや草っぽい風味、微かな酸味もあるので、濃厚さの割には余韻はしつこくない。シェリー樽由来のフルーティさも背後にしっかりあり、これだけでデザートにもなれるくらいの奥深い甘み。ロンザカパよりも樽感が少なく、よりまったりとした甘みが楽しみたい人にオススメ。