アードナムルッカン 2ndエディション AD/01.21:01/Ardnamurchan AD/01.21:01

(1)特徴

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・アードナムルッカン 2ndエディション AD/01.21:01/Ardnamurchan AD/01.21:01

・アードナムルッカン蒸溜所

・46.8%

・バーボン樽:シェリー樽=65%:35%、ピーテッド原酒:アンピーテッド原酒=50%:50%でバッティング

 

アードナムルッカン蒸留所のシングルモルトウイスキーの2ndエディションです。半年前の2020年9月に発売された1stリリースと同じ原酒構成で、ピーテッド・アンピーテッドの原酒を、5年以上、バーボン樽とシェリー樽で熟成させたものです。今回の2ndエディションも1stエディションと同じ風味を目指したとのことで、大まかな風味の特徴は同じです。ただ甘みの強さや種類、潮っ気の部分について違っている部分も結構あります。

なお1stエディションのテイスティングコメントは下記を参照ください。今回も1stエディションと飲み比べていますが、1stエディションは開封後しばらく経っているのであまり正確な比較でないことをご了承ください。

 

 

(2)テイスティング

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【香り】

潮っぽさを含んだピート香、オレンジやグレープフルーツ、ライムのような柑橘、ナツメグクローブの香辛料、リンゴや洋梨、ライチ、クリームブリュレ、蜂蜜、浜辺の朽ち木。加水するとカスタード系の甘みが控えめになり、代わりに赤いフルーツ系の甘さ、麦芽と柑橘感がより明確に出てくる。

 

【味】

アルコールのピリピリした刺激が多少あるが、甘みとピート、塩気のバランスが良くアルコールのえぐみは少ない。レモンやグレープフルーツの果肉と皮目のビターさ、シロップ系の甘さ、パイナップル、少しローストしたオーク、牧草のようなハーブ感、黒胡椒や唐辛子のスパイシーさ、塩気とウッドスモーク。余韻は麦芽とシナモン、燃やした藁や木のスモーキーさ。少量加水でアルコール感がぐっと抑えられて、麦芽やフルーティさ、塩っ気ある風味がまとまるのでオススメ。

 

【1stエディションとの比較】

半年前の1stエディションと比べると、甘い蜜やバニラ系の風味がやや抑えめになっている一方で、柑橘やリンゴ、ライチなどのフルーツ感がより出ている印象(蜜の甘さが控えめになったので相対的に表に出てきた印象)。スモーキーさや塩っ気は1stより2ndの方が若干控えめ、麦芽感は2ndの方が良く感じられる。

 

【総評】

1stエディションと同じ方向性・原酒構成でバッティングされたという事で差は殆ど無いのかと思いきや、結構ある。1stは蜜の甘さが前面に出ていて短熟のアルコール感がマスクされていた一方、今回の2ndはフルーティさや麦芽感、潮気とのバランスを取るためか甘さが控えめで、その分アルコール感が少し強めに感じた。短熟としての完成度を高めることを目指した1stと、今後長熟に向かっていくスタート地点に立った2ndと言った印象。個人的にはストレートだと1stの方が好みだが、少量加水した時のバランスも考えると2ndに軍配。既存スコッチだとオーバンに近い方向性なのかなと感じる。この半年でもこれだけ印象が変わるので、益々今後が楽しみになる一杯でした。

 

1stエディションのシングルモルトが発売されて半年、リリース量がそれなりにあったので、正直なところそこまで品薄・プレ値とはならないと思っていましたが、現状は1stエディションも2ndエディションも各サイトで発売後即完売の状態です。特に1stエディションは2.5~3倍くらいのプレ値がついています。。。あくまで推測ですが、コロナの影響でバー飲み需要が減少して、飲みたい人がこぞってオンラインサイトで注文した結果、注文口数が増加したのかなと思っています(ウイスキー需要自体が高まっていることも勿論大きな原因でしょう)。個人的にはフルボトルでなくテイスティングボトルとかで十分ですので、その点では何とか通常価格の範囲内で手に入れることが出来ています。自分みたいな人も多いと思うので、小売店は人気銘柄に関しては小分けボトルでの販売も増やしてほしいところです(ボトルが10本ある場合、フルボトルのみの販売なら10人にしか売れませんが、2本小分け(700mL→30mLx23本)にしてくれれば、フルボトル8本+小分け46本=計48人になりますし。正直、新規蒸溜所の短熟ウイスキーなら一杯で十分です)。