グレンアラヒー 12年/GlenAllachie 12yo

(1)特徴

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・グレンアラヒー 12年/GlenAllachie 12yo

・グレンアラヒー蒸溜所

・46%

 

グレンアラヒー蒸溜所は1967年、スペイサイド地方のアベラワーに設立された蒸溜所です。以前はブレンデッドウイスキーへの原酒供給をメインにしており、シングルモルトとしてのリリースは殆どありませんでした。しかし2017年に大手メーカー傘下からビリーウォーカー氏(シングルモルト界隈では有名な方で、ベンリアックやグレンドロナックなどをプロデュースして一気に知名度を上げた立役者)が所有権を取得したことがきっかけで、シングルモルトとしてのラインナップが年々充実してきている注目の銘柄です。

特徴としては、スペイサイドらしい華やかさだけでなく、しっかりとした骨格と奥行きのある豊かな味わいが挙げられます。

(2)テイスティング

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【香り】

洋梨や生のフルーツ盛り合わせ、リンゴのすりおろし、ミント、背後にバニラやカスタードの甘み。時間を置くとチョコバナナのような少しねっとりしたフルーツ感も出てくる。加水すると上品なフルーツ盛り合わせに。時間を置くとチョコバナナ感がより出てくる。

 

【味】

オイリーな口当たり。麦芽の甘み、蜂蜜、洋梨、塩気とジンジャーのようなスパイシーさ、バター、やや焦がしたオーク。余韻はオークと麦芽を含む穀物感。香りは華やかで軽快だが、酒質は強めで、とろみがある。加水すると麦芽とビターさが増す。

 

【総評】

フレッシュなフルーツ感と骨太な麦芽の味わいのギャップが面白い。時間を置くとバナナのようなねっとりした印象も出てくるが、基本的にはフルーツ感はフレッシュ。麦芽の骨格の強さはハイランドモルトや、スペイサイドならベンリアックに通じるところがあるので、プロデューサーの好みなのかも知れません。ウイスキーらしい要素を備えた、良くまとまった一品でした。