(1)特徴
・アードベッグ蒸溜所
・40%
・シェリーホグスヘッド樽熟成(後熟?)
アードベッグ ブラスダは、アードベッグ蒸溜所が2008年に発売した限定ボトルです。「ブラスダ」はゲール語で「甘くておいしい」を意味しており、アードベッグ特有のヘビーピート麦芽を用いず、ピート値8ppmの麦芽を用いてることが特徴です。熟成樽としてはシェリーホグスヘッド樽が用いられていることが公表されていますが、風味からしてバーボン樽がメインですね。最後の追加熟成でシェリー樽と用いたんだと思います。
他のアードベッグ商品との違いを強調するため、緑色でなく透明なボトルが使われています。また冷却濾過も行い、アルコール度数40度とやや低めでボトリングしており、よりすっきりした風味に仕上げています。普段はスモーキーさの後ろにある甘みや花の香りが前面に出た風味が楽しめます。
(2)テイスティング
【香り】
ほのかなウッドスモークと潮気、チョコレートエクレア、ブラウンシュガー、ナッツ、クローブ、柑橘、時間を置くとチェリーやビワっぽいフルーツ感も出てくる。強烈なピート香ではなく、苔むした朽木のような印象。
【味】
甘さは強く、クリーミーな口当たり。濃厚な花の蜜やカスタードのクリーミーで甘い飲み口、ハーブ、レモンの酸味とビターさ、オーク、ローストしたアーモンド。飲み込むと塩気と若干の焦がしたウッドスモークも広がる。加水するとややカカオのビターさが強くなる。
【総評】
アードベッグらしいバニラの甘みやチョコレートや柑橘感に加えて、繊細な花の蜜の甘みも楽しめる。甘みはかなり強めだが、透き通っていて繊細な印象。強くはないが、明確なピート感も味わえる。アイラピートが苦手な人でも問題なく楽しめるであろう風味。臭さはないがアードベッグらしさがあり、もっと継続的に生産しても良いとは思うが、スタンダードボトルの需要から行くとそれどころじゃ無いんだろうなと推測。