ポートシャーロット OLC:01 2010/Port Charlotte OLC:01 2010

(1)特徴

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・ポートシャーロット OLC:01 2010/Port Charlotte OLC:01 2010

・ブルックラディ蒸溜所

・55.1%

・バーボン樽、シラー樽、ヴァン・ドゥ・ナチュレル樽で約8年半熟成後、オロロソシェリー樽にて18か月追加熟成

ポートシャーロットは、ブルックラディ蒸留所のヘビリーピーテッドのラインナップです。ブルックラディ蒸留所では、多様な大麦原酒または多様な樽で熟成させた実験的な製品を定期的にリリースしており、今回テイスティングするポートシャーロットOLC:01も、熟成樽使いに特徴のある商品です。

まず初めに約8年半、バーボン樽、シラー樽(フランスの赤ワインで、スパイシーでタンニン感が強い風味)、ヴァン・ドゥ・ナチュレル樽(フランスの甘口ワインで、発酵途中にブランデーを加えて、その度数ヶ月~数年熟成)で熟成、その後熟成原酒をオロロソシェリー樽にて18か月追加熟成したものです。オロロソシェリー樽も、近年のウイスキー熟成で使用されているシーズニングシェリー樽(シェリー的なものを詰めて、樽材にシェリー風味をわざと付けたもの)ではなく、本物のシェリー酒熟成のソレラシステムで使用された樽を用いています。

 (2)テイスティング

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【香り】

燃やした木、使い古した革製品、ぶどうの甘い香り、焦がしたメープルシロップ、バター、イチジクと生ハム、オーク、タバコ。

 

【味】

オイリーで濃厚。煙、ぶどうのシロップ漬、蜂蜜、オーク、塩キャラメル、焦がしたメープルシロップ、バター。余韻は赤ワインのタンニン感、コーヒー豆の粉っぽいビターさ。

 

【総評】

濃厚で力強い甘臭さ。シェリー樽熟成と言っても実際のソレラシステムに使われた樽を使用しただけあって、タンニン感やビターさが良く出ているが、ピートスモークと相まって嫌みは感じず調和が取れている。熟成期間はそこまで長くないが、十分な熟成感が出ている。あまり長期熟成しすぎると樽由来のえぐみが出過ぎるのではないかと少し不安になるが、他の樽熟成原酒とのバッティングでは良い個性を与えてくれそう。シェリー樽熟成1年半とは思えないほどしっかりとした影響を受けており、セカンドフィルでも楽しみ。