(1)特徴
・カバラン シェリー シングルカスク/Kavalan Sherry Single Cask
・カバラン蒸溜所
・58.6%
・オロロソシェリー樽
近年ブイブイ言わしている台湾のカバラン蒸溜所の、オロロソシェリー樽熟成のシングルカスク品です。フランスの酒小売として有名なラ・メゾン・ド・ウイスキー社(La Maison du Whisky)が、イタリアのインディペンデント・ボトラーであるVelir社の設立70周年を記念して、2017年に発売した商品です。
カバランのオロロソシェリー樽熟成のシングルカスク原酒を、カスクストレングスでボトリングしたもので、カバラン ソリストシリーズと同じような位置付けの商品です。風味は、カバランらしい濃厚な樽由来のフレーバーに、南国フルーツを感じさせるフルーティさが挙げられます。
(2)テイスティング
【香り】
ブランデーに近い濃厚なシェリーの香り、樽のオーク香、クリームブリュレ、ぶどうやプラムのシロップ煮、八角、トロピカルフルーツ、油彩マーカーのようなシンナー感もある。加水すると、ややサッパリ上品になるが、それでも濃厚。トロピカルフルーツっぽい人工的なシンナー感も薄まるので、少量加水がGood。
【味】
オークのウッディな風味、濃厚なシェリー、フルーツポンチのフルーティな甘さ、若干の塩気、紹興酒、バニラ、若干の硫黄。余韻は、オークのビターさとハーブ、煮詰めた樹液。トゥワイスアップくらいが、ちょうど少し感じたえぐみが無くなって良い。
【総評】
濃厚なシェリーの風味と樽感、加えてバーボン的なバニラ感も感じられる。カバランらしいトロピカルフルーツや紹興酒(ソリストのヴィーニョ・バリックでも共に感じられた)もあり、原酒由来というより、熟成過程で何か亜熱帯地域に共通する香味成分が生まれていると感じる。とんでもなく濃い色味らしく濃厚な風味ながら、えぐみは少なく上品な出来。カバランは意外とインディペンデントボトラーの方が出来が良いのかも知れない(ソリストは割と強烈な個性のものもある印象)。食後酒的な使い方が良さそうな一本。実にカバラン。