(1)特徴
・モンキーショルダー/Monkey Shoulder
・ウィリアム・グラント&サンズ社
・40%
モンキーショルダーは、2005年に発売されたブレンデッド・モルトウイスキーです。モンキーショルダーという名前は、ウイスキー作りのフロアモルティング(麦芽を発芽させる作業)を行う作業員が肩を痛めることを「モンキーショルダー」(要は肩を痛めて、前かがみの肩になること)に由来します。ウイスキーの作り手に敬意を表する、という事ですね。
先にも触れましたが、モンキーショルダーはブレンデッド”モルト”ウイスキーです。つまりグレーンウイスキーが含まれている一般的なブレンデッドウイスキーと異なり、モルトウイスキーのみが使われています使われている原酒はグレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィの3つで、合計27個の樽をヴァッティングしたことからバッチ27という表記がされています。見猿・言わ猿・聞か猿の三猿が瓶にデザインされていますが、名前の由来はここにもあります。
特徴は、モルトウイスキーらしい麦芽感と、スペイサイドの蒸溜所原酒を使っていることから生まれる華やかさやフローラルさ、バニラの甘みが挙げられます。
(2)テイスティング
【香り】
始めにユリやクチナシのような花の香りが漂ってくる。フレッシュなリンゴや洋梨、オレンジ、焼きプリンとクリーム、シナモンやクローブのようなハーブ香。加水すると、花の香りと共にウエハースのような香ばしさも出てくる。
【味】
とてもクリーミーな口当たり。麦芽、バニラ、樽由来のスパイシーさとオーク、オレンジやライムの皮、クローブ、花の蜜、粉っぽいコーヒーのビターさ。余韻は少しビター。加水すると、ビターさがより前に出てくるが、甘みやフローラルさ、麦芽感は健在。
【総評】
スペイサイドのブレンデッドモルトらしい、フローラルかつ麦芽の風味が強い味。普段は邪魔になることが多いビターな風味も、花の香り、麦芽やバニラの甘みの後にじっくり適度に現れるので、長く心地よい余韻につながっている。