アードボッグ/Ardbog

(1)特徴

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・アードボッグ/Ardbog

アードベッグ蒸溜所

・52.1%

・バーボン樽、マンサニージャシェリー樽

 

アードボッグは、アードベッグ蒸溜所が2013年のアードベッグデーで発売した商品。バーボン樽で10年熟成させた原酒と、マンサニージャシェリー樽で10年熟成させた原酒をバッティングしたものです。名前はピート採掘を行う湿地を指すPeatbogと、Ardbegの造語です。またマンサニージャシェリーは、シェリー酒の中ではかなりドライな風味です。アードベッグらしいスモーキーさや柑橘感に加えて、赤いフルーツや炭のような風味、強い潮気が特徴的です。

 

(2)テイスティング

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【香り】

革製品と木を燃やしたようなスモーク、ゴムタイヤや炭、潮気、森の中の朽ち木、甘めのレモンキャンディ、蜂蜜、プルーン、アメリカンチェリー、リンゴ、ナッツ。時間が経つとアップルカスタードのような甘くフルーティな香りも。加水すると、ウッドスモークと潮気、甘いフルーツの香りがより調和し、少しサワーな印象も出てくる。

 

【味】

強い塩気とヨード、ウッドスモーク。アップルパイ、ローストしたレモン、エスプレッソ、アーモンド、ハーブ。余韻は湿ったウッディさと炭っぽいコーヒー。加水すると、潮気がやや抑えられて、スモーキーさとのバランスが良くなる。フルーティさとや甘みはそこまで強くならず、あくまで主役は煙と潮気、背後にフルーティな甘さ。

 

【総評】

TENと比較すると、潮気と革製品を燃やしたようなスモーク感とゴムタイヤ感、チェリーのような甘みが違いとして感じられた。コアレンジ品でシェリー樽原酒を使っているウーガダールと系統は近いが、ゴム感(味わうとそこまで感じない)や強い潮気、チェリー感など、ウーガダールでは現れない個性が面白い。アードベッグらしさはハッキリありながら、海辺のBBQのような独特な温かい要素がバランスよく付加されており、非常に美味。マンサニージャシェリー樽由来のネガティブな炭感は、そもそもアードベッグに(アードベッグ的には良い点として)備わっているので、良い面が強く付加されている印象で、組み合わせとしても良いと思う。またのリリースに期待したい。