(1)特徴
・グレンファークラス 105/Glenfarclas 105
・グレンファークラス蒸留所
・60%
グレンファークラス蒸留所はファミリー経営の蒸留所で、濃厚なシェリー感と骨太な酒質を特徴とするウイスキーを作っています。比較的安価でコスパが良いことから、最も過小評価されている蒸留所、と呼ばれることもあります。
今回テイスティングするグレンファークラス105は、1968年に業界初のカスクストレングスウイスキーとして発売された品で、鉄の女と呼ばれた英国首相サッチャーが愛した一品としても有名です。特徴としては、カスクストレングスならではのアルコールのパンチの強さと、濃厚なシェリー樽由来の甘みが挙げられます。
(2)テイスティング
【香り】
カスクストレングスらしいアルコールの刺激、ドライな干しブドウ、スパイシーさがあるオーク香、ミントやハッカの清涼感、若干の乳酸と硫黄。少し置くと、フルーツポンチの中の黄桃やオレンジっぽいフルーティさも出てくる。加水すると、やや香りはボケるが、柔らかく暖かいシェリー香とアップルカスタードっぽいクリーミーさも感じられる。
【味】
アルコール刺激とともに、濃厚でスパイシーなブドウの風味が感じられる。ブドウの皮のようなタンニン感のあるビターさ、オレンジ、ローズマリー系のハーブ、麦芽。余韻は暖かいブドウの風味と、麦芽、オーク感が長く続く。加水すると、麦芽味とともに樽由来のビターさがややつよくなる。トワイスアップ位加水した方が、飲み口のアルコール感もビターさも和らぎGood。
【総評】
真の太い一本で、ストレートではパンチのある濃厚さ、加水すると滑らかな上品さ、ロックはキレのある力強さ、と飲み方に応じて色々な側面が楽しめる。とにかくコスパが良く、アベラワ― アブーナやグレンドロナックと並んで、シェリー好きなら常備しておいて損はない一本。