クライゲラヒ 13年/Craigellachie 13yo

(1)特徴

 f:id:Liquor:20201219023855j:plain

・クライゲラヒ 13年/Craigellachie 13yo

・クライゲラヒ蒸留所

・46%、700mL、約5000円

 

クライゲラヒは、ブレンデッドウイスキーのホワイホースのキーモルト、またデュワーズの構成原酒の一つとして知られています。創業は1891年、スペイサイド中心に近い場所に位置しています。特徴として、発芽した大麦麦芽の乾燥にオイルヒーティングを用いている点が有名で、これが硫黄感のある風味を生んでいると言われています。元々ブレンド用原酒としての用途が殆どだったため、シングルモルトとして認知され始めたのはオフィシャルリリースがされ始めた2014年以降と、かなり最近の事です。

今回はクライゲラヒのコアレンジであるクライゲラヒ13年のテイスティングです。13と言うと、キリスト教では不吉な番号で、そのせいもあって13年熟成のウイスキーというのは殆ど聞きません。13年以外では17年、19年、23年、31年とあり、理系の私からすると「素数が好きだったのかな」とか思ったりします。理由は定かではありませんが、おそらくリリースするにあたって各熟成年数の原酒を比較した結果、13年が短熟物としてベストとなったものと思われます。ブレンド用としての需要が十分ある以上、下手に未熟なものを出して、シングルモルトとしての評価を落としてまで売る必要は無いですし。

(2)テイスティング

f:id:Liquor:20201225052519j:plain


【香り】

プラムや梨のフルーティさ、花の蜜、生クリームやファッジ、カスタード。麦芽感は控えめ。

 

【味】

軽快で円やかな口当たり、アルコール感は少し舌がぴりぴりする程度。砂糖シロップや花の蜜、ハーブ。加水すると、花の蜜やハーブ感に加えて塩気が出てくる。

 

【総評】

麦芽感がほとんどなく軽快である分、桃や花の蜜のようなフルーティさがハッキリ綺麗に感じられる。ブレンデッドの構成原酒に使われる理由が良く分かる。足したい要素だけバランスよく加えてくれる印象。正直そこまで麦芽や硫黄感は感じられず、強い個性は無いが綺麗で透き通った風味という印象。味わうと13年という熟成年数も納得。透き通った風味ゆえ、それを邪魔しかねないアルコール感が収まるタイミングを見極めたのかなという印象です。