タリスカー 25年/Talisker 25yo

(1)特徴

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タリスカー 25年/Talisker 25yo

タリスカー蒸留所

・45.8%

・バーボン樽で25年以上熟成


タリスカー蒸留所が毎年発売している25年熟成物。以前はカスクストレングスでの不定期発売でしたが、現在は加水版で毎年リリースされています。コアレンジ品の中では30年に次いで長熟な商品です。25年以上の熟成に耐えうる原酒は1万樽に1樽と言われていますので、非常に貴重です。アメリカンオークのバーボンリフィル樽でのみ熟成されており、長熟ならではの樽由来の甘みや熟成したフルーツ感が楽しめて、かつタリスカーらしい骨格もしっかり残っている一品です。

(2)テイスティング

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【香り】

カスタード、コニャックのような濃厚な赤い果実感、タリスカーらしいスパイスと麦芽感、潮風、シナモン、熟した桃、煮込んだ洋梨や杏、オークの感じも強く出ている。加水すると、柑橘とバニラと麦芽が良く延びてくる。実はシェリー樽熟成原酒が含まれているんじゃないかと疑わんばかりのフルーツ感がある。

 

【味】

煮詰めたフルーツとシロップの濃厚な甘みの後に、海辺で木を燃やしたようなスモーク感と黒胡椒のスパイス、麦芽、ややビターなハーブ、オレンジピール。加水すると、塩気と麦芽、柑橘のピールにあるビターな酸味、バニラ感が強くなる。香りではやや上品で控えめになっていたタリスカーらしさが、味わうとしっかりガツンと感じられて、タリスカーの酒質の強さを実感させてくれる。

 

【総評】

バーボン樽のみでの熟成とは思えない、シェリーっぽさも含む赤い果実の香りも感じられる一品。18年よりさらにカドが取れて口当たりに円みがあり、フルーツポンチというよりシロップで煮込んだくらいの濃厚な甘みが味わえる。長熟ならではの熟成香や樽感も存分に楽しめる。18年とは少し違う延長線上にある熟成感。それでいて感心するのが、長熟になってもタリスカーらしいスモーキーさやスパイシーさ、潮風さの骨格がしっかり感じられて健在なところ。タリスカー好きで、かつ熟成感ある甘みとフルーティさが味わいたい人にとっては天国を感じさせてくれる一品。