(1)特徴
・タリスカー 18年/Talisker 18yo
・タリスカー蒸留所
・45.8%
・バーボン樽、シェリー樽にて18年以上熟成
タリスカー18年は、タリスカーのコアレンジの中では最も品評会で賞を得ている商品です。有名なところだと、2007年のワールド・ウイスキー・アワード(WWA)で世界1位のウイスキーに選ばれたことでしょうか。個人的に好感なのは、根強い人気にもかかわらず比較的流通量が安定しており、定価で購入できる点です。ジャパニーズウイスキーもこの点は見習ってほしいですね(もちろん、定価で販売してもすぐに買い占められて個人客に届かないことにメーカーの責任は無いですが、品評会に業者しか買えない=出回らないことが分かっている限定品を出して入選させることはどうかと思っています)。
さて話を戻して、タリスカー18年ですが、風味の特徴としては、タリスカーらしい荒々しいピート感と潮風に加えて、長熟ならではの樽由来の甘いバニラやフルーティさが挙げられます。そのため、10年だとストレートのほかに水割りやハイボールとの相性も抜群に良く人気がありますが、18年はまずはストレートで試してほしい一品です(もちろんハイボールも最高に美味しいです)。
(2)テイスティング
【香り】
10年より明るくジューシーな香り。桃や洋梨の熟れた甘み、リンゴの甘酸っぱさ、シェリー由来のブドウ、バニラの甘み、ミント系のハーブ感とオレンジピール。ピートスモークや潮風は10年よりぐっと穏やかで上品。熟成感やオーク香も強い。
【味】
しっかりとしつつ上品なウッドスモーク、フルーツポンチ、麦芽の甘み、スパイシーさ、潮気、草のようなハーブ味、ややローストしたオレンジピール。加水すると、ローストした麦芽、オークとハーブが強くなる。余韻は中程度。
【総評】
タリスカーらしいスモーキーさと潮気、長熟らしい桃系のフルーティさのバランスと多面性が素晴らしい。それでいて麦芽感もしっかりあり、飲みごたえも充分。上品すぎず、繊細過ぎず、華やか過ぎず、荒々しすぎず・・・タリスカーのコアレンジ中ではバランス感が一番良いと思います。値段もそこまで高くないので、ちょっといい日の宅飲みご褒美用としても良いんじゃないかと思う。