（１）特徴
・タリスカー ディスティラリー・エディション 2017／Talisker The Distillers Edition 2017
・タリスカー蒸留所
・45.8%
・700mL、約8000円
・10年熟成、アモロソシェリー樽フィニッシュ
タリスカーの蒸留所限定エディション（といっても通販で入手可能）の2017年版です。2007年蒸留～2017年までバーボン樽で約10年熟成されたのち、アモロソシェリー樽で数か月の後熟をかけたものです。アモロソシェリーは、上品な香りと甘みが特徴のオロロソシェリーと濃厚な甘さが特徴のペドロヒメネスシェリーをブレンドしたものです。そのため、 バーボン樽由来のバニラの甘さの上に、シェリー樽由来の複雑なフルーティーさが加わった一品となっています。もちろんタリスカーらしい潮気やスモーキーさも健在です。
（２）テイスティング
【香り】
タリスカーらしいスモーキーさは10年より控えめで、赤いフルーツの甘い香りが強く主張する。バターや塩キャラメル、ややゴムっぽいシェリー、海辺の朽ちた木、ナッツ、カスタード、オレンジ。加水するとシェリー感がより上品になり、麦芽感も良く感じられて美しい。
【味】
香りの温かく穏やかな印象と打って変わり、口に入れた瞬間に来るのはタリスカーらしいピートスモークとスパイシーさ、潮気。フルーツや蜜の甘さと、柑橘のピールの酸味とビターさ、ハーブやバニラ。加水すると、麦芽やフルーツの甘みと共に、塩気やハーブのビターさもやや強くなる。余韻は10年より短め。
【総評】
色は10年より濃い。熟成年数は10年ながら、最後にアモロソシェリー樽でのフィニッシュ由来の甘くフルーティーな風味が上品で、ピート香もやや穏やか。ただタリスカーらしい塩気とスパイシーさは健在で、飲みごたえも十分。タリスカー10年をより熟成させたというよりも、遊び心を加えた多層的な印象。10年にあるさっぱりとした柑橘感が好きな人は好みでないかもしれないが、10年がやや無骨すぎると感じる人やシェリー感が好きな人ならオススメ。出来は非常に良と思う。ポートルージュといい、タリスカーのシェリーフィニッシュ系は出来が良い印象。
