(1)特徴
・アードベッグ ウィー ビースティ/Ardbeg Wee Beastie
・アードベッグ蒸留所
・47.4%
・700mL、約5000円
アードベッグ ウィー・ビースティは、アードベッグ蒸留所が2020年にリリースした新たなコアレンジ商品の1つ。特徴は何と言っても、アードベッグではこれまで限定品でしかなかった短熟物(5年熟成)という点です。使用されている樽は、バーボン樽とシェリー樽で、バーボン樽のみのTENとはまた違った風味が特徴です。また度数も比較的高めで、若いアイラウイスキーらしいスモーキーでパンチの効いた仕上がりとなっています。
(2)テイスティング
【香り】
ヨードやハーブ感のある潮風、ピートスモーク、バニラやブラウンシュガーの甘い香り、レモンやグレープフルーツ、若い青りんごやプラム、麦芽香。短熟らしいアルコール感はあるものの、アードベッグらしい柑橘感とスモーキーさのおかげか、不快な感じは無い。
【味】
ピートスモーク、バニラやシロップのねっとりとした甘み、リンゴの蜜、ハーブ、塩味、ペッパー、カカオ。後味はレモンピールやハーブ、塩味と灰っぽさ。アードベッグらしいピート感と共に、存外に甘いシロップやバニラ感が感じられる。少量加水するとますます甘くなり、アルコール感の厭味もほとんど感じなくなる。
【総評】
そこまで期待していなかったが、度数の高い影響で、樽由来の甘みが存分に出ていて、かなり楽しめる一本。流石にアードベッグTENと比べると熟成感や樽感は劣るが、甘みはむしろ明瞭に強く感じら、シェリー樽由来のカカオ感やフルーツ感もTENより出ている。ピート感はTENと同じくらいか(シェリー樽感という意味では、オールドボトルのTENにも近い気がする)。ハイボールやロックなら、むしろTENより良いんじゃないかという出来。5000円くらいなら買い、プレ値で。