(1)特徴
・キルホーマン マキヤーベイ/Kilchoman Machir Bay
・キルホーマン蒸留所
・46%
・700mL、約5000円
・バーボン樽、シェリー樽
キルホーマン マキヤーベイは、アイラ島のキルホーマン蒸留所の短期熟成製品です。キルホーマン蒸留所は2005年、アイラ島では125年ぶりに新規設立されました。ファームディスティラリー(農場型蒸溜所=つまり原料の生産からウイスキー造りまで一貫して行う蒸留所)で、大麦もアイラ産に拘って自社畑で栽培しています。一部、アイラ産の大麦のみを使った商品もあります(それ以外はスコットランド産も使用)。またボトリング設備や貯蔵設備もアイラ島内に自社保有しており、アイラ島内で生産が全て完結する、唯一の蒸留所でもあります。
アイラ島については下記の記事も参照ください。
マキヤーベイは、バーボン樽およびシェリー樽で3~5年熟成させたウイスキーを、バーボン樽:シェリー樽≒3:1でバッティングしたものです。若い原酒らしいスパイシーで刺激的なアルコール・ピート感だけでなく、バーボン樽由来のバニラや柑橘系の風味も楽しめる一本です。
余談ですが、下の写真は、キルホーマン蒸留所を訪問した際の写真です。
大自然あふれる場所にあります。
自社の大麦畑
フロアモルティング。自社で行っている所は珍しいですね。
ポットスチル
貯蔵庫
小規模なボトリング設備。これも自社で行っているのはかなり珍しい。
(2)テイスティング
【香り】
磯臭いピート香、レモン、ライチ、乾いた切りたてのオーク香。加水するとバニラやバター、さらにシェリー樽由来のチェリーっぽい微かな香り、オーク香が表にぐっと出てくる。
【味】
ピートの刺激とスモーク、柑橘の酸味、草っぽいハーブ、バニラの甘み。加水した方がバニラ感は良く感じられる。余韻は爽やかでややビターなハーブ。
【総評】
3~5年熟成の短熟という事だが、キレのあるピート味だけでなく、オーク香とバーボン由来の甘みもよく出ていて、十分楽しめるクオリティ。アイラ特有の癖も素直に出ているが、背後の樽由来の熟成感も充分に感じられるので、今後熟成が進んでどのような完成形になるのか非常に楽しみ。アルコール感はどうしても有るので、少量の加水がオススメ。