(1)特徴
・カーデュ 12年/Cardhu 12 year
・カーデュ蒸留所(オーナーはディアジオ)
・40%
カーデュ12年は、スペイサイドに位置するカーデュ蒸留所の銘柄。1824年に設立され、現在はディアジオ社が保有しています。ブレンデッドウイスキーのジョニーウォーカーのキーモルトとしても有名です。ちなみにカーデュ(Carn Dubh)は、ゲール語でBlack Rock(黒い岩)を意味しています。
味わいの特徴としては、スペイサイド特有の華やかさと、スパイシーでドライな口当たりが挙げられます。
余談ですがカーデュと言えば、『ピュアモルト』騒動の当事者としても有名です。2003年に、ディアジオ社が、当時イタリアを中心に人気のあったカーデュのラインナップとして『カーデュ・ピュアモルト』を販売しました。このピュアモルト(※)という表現を聞くと、さもシングルモルトと一緒のような印象を受けますが、実際にはカーデュ蒸留所以外のモルト原酒をブレンドしたものでした(そのため、今の基準で行くと、『ブレンデッド・モルト・ウイスキー』です)。ボトルデザインも既に販売していたカーデュ・シングルモルトと酷似していたことから、違った商品を混同させて売ろうとしたんじゃないかと消費者やウイスキー業界関係者が激怒。結果として、カーデュ・ピュアモルトのラベル変更や、さらにはスコッチウイスキーの定義変更にも繋がることになりました。
※日本でもサントリーが『山崎ピュアモルト』『白州ピュアモルト』という表現を使っていましたが、これはシングルモルトと同義です(単に『混じりっ気のない』という印象をサントリーが表現したかっただけでしょう)。それだけピュアモルトという表現は、曖昧な定義だったという事ですね。
(2)テイスティング
【香り】
リンゴ、和梨、水っぽいブドウやメロン、バニラ、かなり微かなピートスモーク、牧草
【味】
リンゴの蜜、蜂蜜、オレンジピール、パイナップル、飲み込むと麦芽感が強く広がる。軽いスパイスやオークも。辛口でドライで軽快。余韻に柔らかいスモーキーさとハーブのビターさが広がる
【総評】
スペイサイドらしいフルーティさはあるが非常に軽快で、ほのかなスモーキーさとビターさ、辛口ドライなキレのある風味。麦芽も軽快な香ばしさ。変な癖が無いのでストレートでもハイボールでも使いやすい風味。