ラフロイグ ロア/Laphroaig Lore

(1)特徴

 f:id:Liquor:20201027061240j:plain

ラフロイグ ロア/Laphroaig Lore

ラフロイグ蒸留所

・48%

・700mL、約10000円

シェリー樽、クオーターカスクラフロイグ熟成後の古樽、ダブルマチュアード(ヨーロピアンオーク新樽→バーボン樽で二段熟成)

 

ラフロイグ蒸溜所長のジョン・キャンベル氏が、1815年の創業以来受け継がれてきた技術と経験を次世代へ伝承(LORE:ロア)するという情熱を込めてつくりあげたものが、このラフロイグ ロアです。

ラフロイグ ロアでは、蒸溜所が所有している多彩な樽種の熟成原酒を組み合わせています。特にヨーロピアンオークの新樽で3~4年熟成させた後、ファーストフィル・バーボン樽に移し替えてさらに3~4年熟成させた”ダブルマチュアード(二度熟成)"が特徴的です。この他にも、オロロソシェリー樽、クオーターカスク樽、ラフロイグ原酒の熟成済みの古樽等で熟成させた原酒も使用されています。

(2)テイスティング

f:id:Liquor:20201027065054j:plain


【香り】

スモーキーでヨード感を感じさせるピート、オーク感もかなり強くスパイシー、ゴム感、ナッツ、イチジク。時間がたつとバニラ、ほのかに干しブドウや洋梨。加水すると磯感とオーク、バニラとアメリカンチェリー、やや硫黄やゴム感。

 

【味】

バニラの甘み、ナッツ、ハーブの草感、グレープフルーツのややビターな酸味。加水すると甘みが引き立ち、潮気とナッツ、バーブが後から来る。飲み込んだ後は、オーク感を伴ったピート香が続く。

 

【総評】

様々なスタンダードボトルの要素をうまく詰め込みつつ、ラフロイグ10年に代表される一本気な力強さも感じられる、変幻自在の風味。時間がたつと、また加水をする度に、新しい味わいが表れるが、どこまで行ってもラフロイグらしさが失われない。やや樽感やアルコールの荒々しさはあるものの、おおむねロア(伝承)の意図するところは達成できているのではと推測できる。近年だとラフロイグ・トリプルウッドにも共通する、様々な樽を組み合わせて複雑な風味を作っていくという意図が感じられる。色々なスタンダードボトルを飲んだ後に楽しんでほしい一本です。