(1)特徴
ブナハーブン12年は、アイラ島のブナハーブン蒸留所で作られているウイスキー。アイラ島と言えば、ラフロイグやアードベッグに代表されるヨードや煙臭いピートが特徴ですが、ブナハーブンはピートをほとんど使っておらず(ピートの焚き込み量を示すppmはアードベッグやラフロイグの45-50ppmに対して、ブナハーブン12年は2~5ppm)、アイラの異端児ともいえる存在です。アイラ入門というよりシングルモルト入門に近い味わいが特徴です。
下記の記事で紹介したウイスキーマップでも、アイラで浮いた存在であることが分かります。アイラというよりスペイサイドに近い位置にありますが、塩味や微かなピート感もあり、唯一無二な存在です。
(2)テイスティング
【スペック】
・ブナハーブン12年/Bunnahabhain 12 year
・ブナハーブン蒸留所
・46.3%
・700mL、5000円弱
【香り】
レーズン、青りんご、バニラ、オーク、オレンジ、ライム、バター。加水するとバニラが強くなる。ピートは正直ほとんど感じず。酒質の軽快さ故か、フルーティーさの奥の樽感(オーク)がかなり感じられる。
【味】
花の蜜のような酸味のある甘さ、オレンジピール、塩味、麦芽、オーク。余韻はハーブとビターさ。
【総評】
アイラ好きとして、ピートが殆ど効いていないという事でこれまで余り試していなかったが、アイランズとともスペイサイドとも言えないフルーティーさと潮味が上品で、すごく好み。樽感も感じられるので、ウイスキーの美味しさが味わえる一品。長熟もまた一段と旨いと聞くので、今度は長熟を試してみたい。