【番外編】アードベッグ スモーキー・ポーター/ Ardbeg Smoky Porter

 

スコッチウイスキーの中でも特に熱狂的なファンが多いアーベッグ蒸留所。アイラ島らしいスモーキーな香りと、軽やかでフルーティーな飲み口が特徴です。本記事ではそのアードベッグ蒸留所のウイスキーではなく、ビールを紹介・テイスティングしたいと思います。

1. アードベッグ スモーキー・ポーターについて

アードベッグから販売されたビール、その名も「アードベッグ ザ・ショーティー・スモーキー・ポーター / ARDBEG – THE SHORTIE SMOKY PORTER」。ポーターはビールの種類で、焙煎した茶褐色麦芽を用いた上面発酵ビール(エールビールの一種)。日本の一般的なラガービール(下面発酵。ピルスナーなどもこれの一部で、マイルドでキレのある味わいが特徴)と異なり、ロースト麦芽とフルーティーな風味が特徴です。ポーターという名称は、かつてロンドンの配送人(ポーター)に人気だったことに由来します。またショーティーとは、アードベッグの愛犬のマスコット「Shortie the Jack Russell」に由来します。

 

今回なぜウイスキー蒸留所のアードベッグがビールを販売したのか。それはワールドウォーターデイ支援の一環で、すべての利益は「マラウイ・プロジェクト」に寄付されるとのことです。製造はウィリアムズ・ブラザーズ・ブルーイング社、そして使われている麦芽は、ウイスキーで使用されているのと同じ、アイラ産ピートで乾燥させたピーティッドモルトです。 

2. テイスティング

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※グラスに注いだ感じだと単なる褐色ですが、光にかざすと赤褐色と分かります

 

【スペック】

アードベッグ ザ・ショーティー・スモーキー・ポーター / ARDBEG – THE SHORTIE SMOKY PORTER

・6.2%

・330mL、1本350円前後

 

【色】

暗赤褐色

 

【香り】

アードベッグの特徴的なスモーキーなピート香、オレンジ、金柑、イチジク、麦芽、ナッツ、チョコレート。香りは常温の方が遥かに華やか。ポーターは常温で飲むものだと実感できる。

 

【味】

クリーミーでややオイリーな舌触り、ロースト麦芽、ビターチョコ、エスプレッソ。ホップはそこまで強くないが、リコリス感も相まって森の中にいるような香り。

 

【フィニッシュ】

ポーターにしてはサッパリ気味(アッサリではない)で、しつこ過ぎずキレのある飲み口。スモーキーな麦芽感と苦みの余韻。

 

【総評】

アードベッグも好きで良く飲むが、それを差し引いてもクオリティの高いポータービール。特に他のポータービールはロースト麦芽+チョコレート・ナッツ感を前面に出しているのに比べて、スモーキーさやフルーティーさも強調されていて美味。飲み口もしつこ過ぎず余韻も上品。普通に定番商品として販売してほしいくらいなんですが・・・アードベッグさん、どうでしょうか?