ダフトミル 2009 サマーバッチ/Daftmill 2009 Summer Batch

(1)特徴

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・ダフトミル 2009 サマーバッチ/Daftmill 2009 Summer Batch

・ダフトミル蒸溜所

・46%

・バーボン樽4+オロロソシェリー樽1、11年熟成

 

ダフトミル蒸溜所は、エディンバラ北部の町ファイフに2005年に創業された蒸溜所です。創業者は、ファイフにて大麦生産を行っていたフランシス・カスバートとイアン・カスバート兄弟。農場の農閑期である夏・冬のそれぞれ2か月にのみ蒸溜を行うという、昔ながらのファームディスティラリーです。勿論原料も自社農場で生産した大麦を使用しています。年間生産量は約2万リットルと少量で、年2回のサマーバッチとウインターバッチ、たまにシングルカスクの限定品を販売するのみとなっています。2018年の発売以来、瞬く間に人気蒸溜所となり、現在も発売後即完売を繰り返しています。

同じローランド地方にあったローズバンクのような風味を目指していることもあり、軽快な酒質と、上品で華やかな風味が特徴。春冬の定期リリースとしては初めてオロロソシェリー樽原酒がバッティング(これまではバーボン樽主体で、シェリー樽はシングルカスク不定期リリース物のみ)されていることもあり、注目の一本です。

 

(2)テイスティング

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【香り】

カルヴァドスのような熟したリンゴ、ブラウンシュガー、エルダーフラワーやカモミールのような白い花のフローラルさ、蜜の甘さ、ミント、フルーツポンチのパイナップル、シナモン、ややスモークさも感じられる。 加水すると、リンゴや洋梨のフルーティさが更に引き立ち、背後にアニシードのようなハーブ感もある。

 

【味】

アルコール刺激が少しあるがアルコールのえぐみは全くなく、あくまで透明感があり上品。生姜や黒胡椒のスパイス、ブラウンシュガー、麦芽、花の蜜、煮詰めたシロップ、リンゴや梨、シェリーのフルーティさ、オーク。樽由来のスパイシーも比較的ありやや辛口。余韻は草っぽいハーブ。加水すると、口当たりが柔らかく温かみのある風味になるが、甘みは変わらずしっかり残っており、ややオーク感が増す。

 

【総評】

透明感があり上品ながら、麦芽の旨味や樽由来のフルーティさとフローラルさはとても濃厚。シェリー樽が加わったことによるフルーツ感の違いとスパイシーさが特徴か。評価される理由がよく分かる一本。値段は1.5~2万円とややはるが、その価値は十分にある美しい風味。これまで飲んだローランドモルトの中では断トツに好み。これはボトル買いしたくなるし、カスクストレングス版も飲みたくなるが・・・転売価格が高すぎる。。。貴婦人のような一品。